デュタステリドをやめるとどうなる?AGA治療はいつまで続ける?
AGA治療を始めて効果を感じるようになると、次に気になるのが、
「デュタステリドはいつまで飲み続けるの?」
「髪が増えたらやめてもいい?」
「一生飲み続けないといけない?」
という疑問だと思います。
デュタステリドはAGAの原因に関係するDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑えることで、AGAの進行を抑制する治療薬です。
結論からいうと、AGAは進行性の脱毛症であるため、デュタステリドを中止すると、時間の経過とともにAGAが再び進行する可能性があります。
そのため、AGA治療は「半年飲んだら終了」という治療ではありません。
治療によって良い状態を維持できている場合には、効果と副作用を確認しながら継続することが基本的な考え方になります。
この記事では、デュタステリドをやめるとどうなるのか、AGA治療はいつまで続けるのかについて医学文献をもとに解説します。
そもそもAGAは「治ったら終わり」の病気ではありません
AGAは、男性ホルモンや遺伝的な要因が関係する進行性の脱毛症です。
AGAでは、男性ホルモンのテストステロンから作られるDHTが毛包に作用することで毛髪の成長期が短くなり、髪が徐々に細く短くなっていきます。
デュタステリドは、このDHTを作る5α還元酵素のⅠ型・Ⅱ型を阻害することでDHTの産生を抑えます。
つまり、デュタステリドを飲んでいる間はAGAを進行させる原因のひとつであるDHTを抑えている状態と考えることができます。
治療によってAGAになりやすい体質そのものがなくなるわけではありません。
デュタステリドをやめるとどうなる?
デュタステリドの服用を中止すると、デュタステリドによって抑えられていたDHTへの作用も徐々になくなります。
その結果、AGA本来の進行が再び始まり、治療によって維持・改善していた毛髪が時間の経過とともに再び細くなる可能性があります。
大切なポイント
デュタステリドをやめた翌日から突然大量に髪が抜ける、という意味ではありません。毛髪には成長サイクルがあるため、AGAの再進行も通常は時間をかけて毛髪の変化として現れてきます。
治療をやめると髪は元に戻る?
5α還元酵素阻害薬を中止した後の毛髪変化については、フィナステリドを用いた研究があります。
治療中は維持されていた毛髪が、治療中止後には再び細くなり、AGAが進行していくことが報告されています。[1]
また、AGA男性を長期間観察した研究では、治療を行わなかった群では5年間にわたってAGAが徐々に進行することが確認されています。[2]
デュタステリドとフィナステリドでは薬剤の特性に違いがありますが、どちらもDHTの産生を抑える5α還元酵素阻害薬です。
したがって、デュタステリドを中止した後も、時間の経過とともにAGA本来の進行が再び現れてくる可能性があります。
AGA治療はいつまで続ける?
AGA治療には「必ず○年間飲めば終了」という決まった治療期間はありません。
AGAの進行を抑え、現在の毛髪を維持したい場合には、治療効果が得られていて副作用に問題がなければ継続を検討します。
まずは6か月程度
デュタステリドは、通常6か月程度治療したうえで効果を評価します。[3]
効果があれば継続を検討
抜け毛の減少、毛髪の太さ、頭頂部や生え際の状態などを確認し、改善や維持が認められれば治療継続を検討します。
長期的に状態を維持
AGAの進行を抑えたい期間は、効果や副作用を確認しながら治療を続けるという考え方になります。
「6か月」は治療終了ではなく、効果判定の目安
ここはAGA治療で誤解されやすいポイントです。
デュタステリドの添付文書には、通常6か月間の治療を行ったうえで効果を判定することが記載されています。[3]
これは、
「6か月飲んだら治療終了」
という意味ではなく、
「少なくともその程度の期間は治療して、効果があるかを評価する」
という意味です。
治療によってAGAが改善している場合には、その状態を維持するために治療を継続することを検討します。
デュタステリドは長期間飲んでも効果が続く?
デュタステリドについては、日本人AGA男性120例を対象に0.5mgを52週間投与した長期試験が行われています。
110例が52週間の治療を完了し、毛髪の増加や写真評価などで1年間にわたりAGAに対する治療効果が確認されています。[4]
さらに、実際の診療データを用いてデュタステリドとフィナステリドを平均約3.4年間追跡した研究でも、デュタステリドの長期的な有効性が確認されています。[5]
AGAは長期間にわたって進行するため、治療も短期間だけではなく、長期的な維持を考えることが重要です。
髪が増えたらやめてもいい?
治療によって髪の状態が改善すると、「もう治ったから薬をやめてもいいのでは?」と思う方もいると思います。
しかし、改善した状態はデュタステリドによってAGAの進行が抑えられている結果である可能性があります。
薬を中止すると、その抑制作用もなくなるため、再びAGAが進行する可能性があります。
そのため、「増えたから終了」というより、増えた状態を維持するために治療を続けるという考え方がAGA治療では重要です。
長く飲むと効かなくなる?
「長期間飲み続けると体が慣れて、デュタステリドが効かなくなるのでは?」という質問を受けることがあります。
現在のところ、通常の使用によって単純に薬への「耐性」が生じ、数年で作用しなくなるということが確立されているわけではありません。
一方で、AGAそのものは年齢とともに進行する可能性があるため、治療を続けていても「以前より薄くなった」と感じることはあります。
その場合には、
などを確認することが重要です。
途中で休薬した方がいい?
副作用などの医学的な理由がない場合に、「長く飲んでいるから定期的に休薬した方がよい」という明確な根拠はありません。
むしろ、AGAの進行抑制を目的として治療している場合には、自己判断で長期間中断するとAGAが再び進行する可能性があります。
休薬や中止を希望する場合には、治療目的や現在の毛髪の状態を確認したうえで医師と相談することをおすすめします。
毎日飲まないといけない?
国内でAGA治療薬として承認されているデュタステリドの通常用量は、成人男性に1日1回です。[3]
「髪が増えたから隔日でよい」「週に数回でも同じ」と自己判断で服用回数を変更すると、承認された用法とは異なる使用方法になります。
治療方法を変更したい場合には、自己判断ではなく医師へご相談ください。
副作用が心配なら治療をやめるべき?
デュタステリドでは、性欲低下、勃起機能不全、射精障害などの性機能に関する副作用が報告されています。
ただし、すべての方に副作用が起こるわけではありません。
また、デュタステリドとフィナステリドを比較した研究では、デュタステリドの方が高いAGA改善効果を示した一方、性機能に関する副作用には両剤で明確な差が認められていません。
そのため、副作用が心配という理由だけで自己判断で治療を中止するのではなく、気になる症状がある場合には医師へ相談し、治療効果と副作用のバランスを確認することが大切です。
AGA治療をやめることを検討するタイミングは?
治療を続けるかどうかは、すべての方で同じではありません。
たとえば、
といった場合には、治療継続について改めて考えることがあります。
AGA治療のゴールは患者様によって異なります。
そのため、「一生必ず飲まなければならない」というより、髪を維持したい期間と治療のメリットを考えながら継続するという考え方がわかりやすいでしょう。
AGA治療についてよくある質問
Q. デュタステリドは一生飲まないといけませんか?
必ず一生服用しなければならないという意味ではありません。ただし、AGAの状態を維持したい場合には、効果と副作用を確認しながら継続治療を検討することになります。
Q. 髪が増えたら薬をやめてもいいですか?
中止するとAGAの進行を抑える作用がなくなるため、再び薄毛が進行する可能性があります。改善した状態を維持したい場合には治療継続を検討します。
Q. 6か月飲んだら終了ですか?
いいえ。6か月は治療終了の目安ではなく、治療効果を評価するひとつの目安です。効果が認められている場合には、その後も継続を検討します。
Q. やめたらすぐに全部抜けますか?
通常、翌日から急に元の状態へ戻るわけではありません。ただし、AGAへの抑制作用がなくなるため、時間の経過とともに再び薄毛が進行する可能性があります。
Q. 長期間飲むと効かなくなりますか?
通常の使用で単純に薬への耐性が生じて効かなくなることが確立されているわけではありません。AGA自体の進行などによって、以前より変化を感じる場合はあります。
Q. 自分で隔日投与に変更してもいいですか?
国内で承認されている通常の用法は1日1回です。服用方法を変更したい場合には、自己判断せず医師へご相談ください。
まとめ|AGAの状態を維持したい間は治療継続を検討します
AGAは進行性の脱毛症であり、デュタステリドによってAGAになりやすい体質そのものがなくなるわけではありません。
そのため、デュタステリドを中止すると、時間の経過とともにAGAが再び進行する可能性があります。
6か月という期間は「治療終了」の目安ではなく、治療効果を判断するためのひとつの目安です。
AGAの状態を維持したい場合には、治療効果と副作用を確認しながらデュタステリドを継続することが基本的な考え方です。
ゆうきクリニックでは、AGAの内服治療としてデュタステリドを採用しています。
「いつまで治療した方がいい?」「効果が出たのでやめてもいい?」など、AGA治療の継続についてもお気軽にご相談ください。
参考文献
[1] Van Neste D, et al. Maintenance of optimised hair growth from viable terminal scalp hair follicles at baseline with oral finasteride in male pattern hair loss and first evidence of a “drug dependency” and a post-finasteride “rebound effect”. Skin Res Technol. 2019. PMID: 31081179. DOI: 10.1111/srt.12707.
[2] Kaufman KD, et al. Progression of hair loss in men with androgenetic alopecia: long-term (5-year) controlled observational data in placebo-treated patients. Eur J Dermatol. 2008. PMID: 18573713.
[3] ザガーロカプセル0.1mg/0.5mg 添付文書. 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA).
[4] Tsunemi Y, et al. Long-term safety and efficacy of dutasteride in the treatment of male patients with androgenetic alopecia. J Dermatol. 2016;43(9):1051-1058. PMID: 26893187. DOI: 10.1111/1346-8138.13310.
[5] Long-Term Effectiveness and Safety of Dutasteride versus Finasteride in Patients with Male Androgenic Alopecia in South Korea: A Multicentre Chart Review Study. Ann Dermatol. 2022.