大切な時に!インフルエンザの予防内服について薬の種類・費用・開始時期を解説(医師監修)
「家族がインフルエンザになった」「同居している家族からうつらないか心配」――そのようなとき、発症リスクを下げるために検討されるのが、インフルエンザの予防内服です。
ゆうきクリニックでは、インフルエンザの予防内服について、オンライン診療でご相談いただけます。医師が接触状況や症状、持病などを確認し、予防投与の必要性と適した薬を判断します。
この記事では、予防内服とはどのようなものか、薬の種類と使い方、開始までの時間、効果の期間、自費診療の費用について解説します。
最初に知っておきたいポイント
- 予防内服は、発症前に薬を使用してインフルエンザの発症リスクを下げる方法です。
- 開始期限は、患者との接触後48時間以内が基本です。リレンザは36時間以内に開始します。
- 保険適用外の自費診療となり、診療料と薬剤関連費用が必要です。
- 飲み薬だけでなく吸入薬もあり、対象や使用方法は薬ごとに異なります。
- 使用しても発症する場合があるため、ワクチンや家庭での感染対策も大切です。
インフルエンザの予防内服とは?
インフルエンザの予防内服とは、インフルエンザ患者と接触した方が、まだ症状が出ていない段階で抗インフルエンザ薬を使用し、発症を抑えることを目指す方法です。「予防投与」「予防服用」と呼ばれることもあります。
抗インフルエンザ薬は、ウイルスが体内で増える過程を抑える薬です。予防目的では、接触後の適切なタイミングで使用することが重要です。対象となるのは、A型・B型インフルエンザです。
すでに発熱、悪寒、関節痛、咳などがある場合は、予防ではなく、インフルエンザや他の感染症の診断・治療を検討する段階です。症状がある方は、問診時に必ずお知らせください。
予防と治療では、薬の使い方が異なることがあります
例えば、成人のタミフルは、予防では通常1日1回を7〜10日間、治療では通常1日2回を5日間使用します。同じ薬でも目的によって用法が異なるため、残っている薬を自己判断で飲んだり、家族の薬を分けてもらったりせず、診察を受けてください。
予防投与の対象となる方
添付文書上、予防投与は原則として、インフルエンザを発症している患者の同居家族・共同生活者のうち、重症化リスクが高い方を対象としています。
薬によって対象や注意事項は異なりますが、検討される方の例には、次のような方が含まれます。
- 65歳以上の方
- 慢性の呼吸器疾患や心臓の病気がある方
- 糖尿病などの代謝性疾患がある方
- 腎機能に問題がある方
診察では、患者との関係、接触した日時、同居の状況、年齢、持病、服用中の薬などを確認します。腎機能に問題がある場合などは、薬の種類や用量の調整が必要になることがあります。
受験・出張・旅行などを控えているという事情だけで、すべての方に予防投与が適しているわけではありません。接触状況や重症化リスクを踏まえ、医師が必要性を判断します。
いつまでに始める?48時間・36時間の開始期限
インフルエンザの予防投与には、薬を使い始めるまでの時間に目安があります。タミフル・ゾフルーザ・イナビルは患者との接触後48時間以内、リレンザは36時間以内に開始することが添付文書に記載されています。
期限は「予約」ではなく「薬を使い始めるまで」です
オンライン診療の予約や診察を期限内に済ませても、薬の受け取りや配送に時間がかかると、開始が遅れることがあります。診察から処方・薬の受け取りまでにかかる時間を含めて、早めにご相談ください。
この時間は、ご自身の症状が出てから数えるものではありません。家族の診断がついた時刻と、実際に接触した時刻が同じとは限らないため、問診では両方をお伝えください。
同居していて接触が続いている場合など、時間の判断が難しいときもあります。自己判断で期限を数え直さず、家族が発症した日時、診断された日時、接触の状況を医師にお伝えください。
48時間、またはリレンザの36時間を過ぎてから開始した場合の有効性を裏付けるデータは得られていません。期限を過ぎた方やすでに症状がある方は、予防投与の可否だけでなく、必要な診療についてご相談ください。
インフルエンザ予防薬の種類と飲み方・吸入方法
予防目的で使われる薬には、飲み薬のゾフルーザ・タミフルと、吸入薬のイナビル・リレンザがあります。一般に「予防内服」と呼ばれますが、イナビルとリレンザは飲む薬ではなく、口から吸い込む薬です。
以下は成人の通常用量の比較です。小児、妊娠・授乳中の方、持病のある方などでは対応が異なるため、個別の診察が必要です。
※表は左右にスクロールできます。
| 薬剤 | タイプ | 通常の使用方法 | 接触後の開始期限 |
|---|---|---|---|
| ゾフルーザ | 飲み薬 | 体重80kg未満:20mg錠を2錠、1回のみ内服 80kg以上:20mg錠を4錠、1回のみ内服 |
48時間以内 |
| タミフル | 飲み薬 | 75mgを1日1回、7〜10日間内服 | 48時間以内 |
| イナビル | 吸入薬 | 40mg(2容器)を1回で吸入 または20mg(1容器)を1日1回、連続2日間吸入 |
48時間以内 |
| リレンザ | 吸入薬 | 1回10mg(5mg×2吸入)を1日1回、10日間吸入 | 36時間以内 |
ゾフルーザ|1回の内服で完了する薬
成分名はバロキサビル マルボキシルです。成人の予防投与では、通常、体重80kg未満で40mg、80kg以上で80mgを1回服用します。20mg錠では、それぞれ2錠・4錠です。
毎日服用する必要はありませんが、追加で飲めば効果が高まるというものではありません。薬が効きにくいウイルスの問題なども踏まえ、医師が適応を判断します。
タミフル|1日1回、7〜10日間飲む薬
成分名はオセルタミビルです。成人では通常、75mgカプセルを1日1回、7〜10日間服用します。処方された日数・用量に従い、自己判断で途中でやめたり、回数を増やしたりしないでください。
腎機能が低下している方では、服用間隔などの調整が必要になることがあります。健診や採血で腎機能の低下を指摘されている方は、診察時にお知らせください。
イナビル|1日または2日で使用する吸入薬
成分名はラニナミビルオクタン酸エステルです。成人の予防投与では通常、20mg入りの容器2つ、合計40mgを1回で吸入します。20mgを1日1回、連続2日間使用する方法もあります。
1容器には薬剤が2か所に入っているため、薬剤師の説明に従い、必要な部分をすべて吸入します。短い使用期間でも、十分に吸い込めることが大切です。
リレンザ|1日1回、10日間使用する吸入薬
成分名はザナミビルです。専用の吸入器を使い、1回10mg(5mgを2吸入)を1日1回、10日間使用します。
予防投与の開始期限は、患者との接触後36時間以内です。タミフルなどの48時間以内とは異なるため、薬を選ぶ際には接触からの経過時間も確認します。
薬の選択では、開始までの時間に加えて、年齢・体重、持病、飲み薬の服用や吸入が可能か、薬局の在庫などを確認します。希望する薬があっても、診察の結果、別の薬をご案内することがあります。
インフルエンザ予防内服の効果は何日続く?
薬を使用する日数と、予防効果を見込む期間は同じとは限りません。1回の服用・吸入で完了する薬もあれば、毎日続ける薬もあります。
- ゾフルーザ:服用した日から10日間の予防効果が臨床試験で確認されています。10日を超える期間の効果は確認されていません。
- タミフル:予防効果が持続するのは、継続して服用している期間です。成人では通常7〜10日間使用します。
- イナビル:使用開始から10日程度が目安です。開始から10日以降の予防効果は確認されていません。
- リレンザ:予防効果が持続するのは、継続して使用している期間です。通常10日間使用します。
これらは、その期間中は絶対にインフルエンザにならない、という意味ではありません。薬を使用していても発症することがあり、流行シーズン全体を予防できるわけでもありません。新たな接触や症状がある場合は、医師にご相談ください。
予防内服は保険適用外|自費診療の費用について
インフルエンザの薬を予防目的で使用する場合は、保険適用外の自費診療です。診療や薬局での調剤にかかる費用は、全額自己負担となります。
インフルエンザを発症した方に治療目的で薬を使用する場合とは、保険の扱いが異なります。また、予防薬として国内で承認されていることと、予防目的の使用に健康保険が使えることは別です。
当院のオンライン診療料:5,500円(税込)
インフルエンザ予防投与に関する当院のオンライン診療料は、5,500円(税込)です。診察料・処方箋発行料・処方箋郵送代を含みます。
この金額には、薬代や薬局での調剤関連費用は含まれません。薬剤関連費用は、別途必要となります。
※表は左右にスクロールできます。
| 薬剤 | 当院診療料(税込) | 薬剤関連費用の概算 | 合計費用の概算 |
|---|---|---|---|
| ゾフルーザ 体重80kg未満 |
5,500円 | 約7,500円 | 約13,000円 |
| ゾフルーザ 体重80kg以上 |
5,500円 | 約12,500円 | 約18,000円 |
| タミフル | 5,500円 | 約4,000円 | 約9,500円 |
| イナビル | 5,500円 | 約5,500円 | 約11,000円 |
| リレンザ | 5,500円 | 約4,500円 | 約10,000円 |
※薬剤関連費用は、調剤関連費用を約2,500円と仮定した概算です。薬局の自費価格、処方日数、税、配送料等によって実際の金額は変動します。合計額も目安であり、確定料金ではありません。
インフルエンザ予防内服のオンライン診療の流れ
オンライン診療では、スマートフォンなどを使って医師に相談できます。予防投与の対象にあたるか、症状がすでに出ていないか、薬を開始期限内に受け取れそうかを確認することが大切です。
STEP 1|オンライン診療の相談・問診
当院のオンライン診療用公式LINEからご相談ください。問診では、ご家族などの発症・診断日時、接触した日時、ご自身の症状、年齢・体重、持病、服用中の薬やアレルギーについてお伝えください。
STEP 2|医師による診察
医師が接触状況と健康状態を確認し、予防投与の必要性や薬の種類・用量を判断します。発熱などがある場合や、オンラインでの評価が難しい場合には、対面診療をご案内することがあります。
STEP 3|費用の確認・処方箋発行
処方する薬と費用をご案内し、必要に応じて処方箋を発行します。当院の診療料に加え、薬局で薬剤関連費用が必要となります。
STEP 4|薬局での調剤・薬の受け取り
薬局で薬の説明を受け、お薬を受け取ります。受け取り方法、薬局の在庫、営業時間、配送を利用する場合の到着予定を確認してください。開始期限に間に合う見込みがあるか、診察時にご相談ください。
オンライン診療は、相談した当日に必ず薬を受け取れることを保証するものではありません。処方箋の手配や調剤、受け取りにかかる時間も含めて、早めの相談をおすすめします。
インフルエンザの予防内服をオンラインで相談
ご家族がインフルエンザと診断された場合など、予防投与をご希望の方は早めにご相談ください。
診察の結果、処方できない場合や対面診療をご案内する場合があります。
予防内服・吸入薬の副作用と使用前の注意点
抗インフルエンザ薬にも副作用があります。薬によって異なりますが、吐き気、下痢、腹痛、頭痛、発疹などが報告されています。吸入薬では、咳やむせ、気管支が狭くなることによる息苦しさなどに注意が必要です。
息苦しさ、顔や喉の腫れ、全身のじんましん、意識が遠のくなどの症状がある場合は、重いアレルギー反応の可能性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。
- 妊娠中・授乳中の方、妊娠の可能性がある方は、必ず診察時にお知らせください。
- 腎臓や肝臓の病気がある方は、病名や最近の検査結果をお伝えください。
- 喘息・COPDなどの呼吸器疾患がある方は、吸入薬を選ぶ前に確認が必要です。
- イナビル・リレンザには、乳蛋白を含む乳糖が使われています。牛乳・乳製品のアレルギーがある方はお知らせください。
- 服用中の薬、サプリメント、最近受けたインフルエンザワクチンの種類をお伝えください。鼻に噴霧する生ワクチンでは、抗インフルエンザ薬との併用時期に注意が必要です。
予防薬を使用していても、発熱や咳などの症状が出た場合には再度ご相談ください。予防の用量を自己判断で治療の用量に変更しないでください。
なお、インフルエンザ発症時には、薬の使用の有無にかかわらず異常行動が報告されています。小児・未成年者が発症した場合には、少なくとも発熱から2日間は、転落などの事故を防ぐための見守りと対策が必要です。
オンライン診療・インフルエンザ予防内服のよくある質問
Q. 家族がインフルエンザになったら、全員が予防薬を使うべきですか?
全員に必要というわけではありません。原則として、発症した方の同居家族・共同生活者のうち重症化リスクが高い方が対象です。接触状況や持病などを踏まえて医師が判断します。
Q. 48時間以内に予約すれば間に合いますか?
大切なのは、予約時刻ではなく薬を使い始める時刻です。診察、処方箋の手配、薬局での調剤、薬の受け取りまでにかかる時間を含めて考えます。リレンザの開始期限は36時間以内です。
Q. ワクチンを接種していても、予防内服は相談できますか?
相談できます。ワクチン接種の有無だけでなく、接触状況や重症化リスクなどから必要性を判断します。鼻に噴霧する生ワクチンを受けた方は、接種日と製品名をお伝えください。
Q. 子どもも大人と同じ量で使えますか?
同じとは限りません。年齢・体重や薬によって用量・適応が異なり、吸入薬は正しく吸い込めることも必要です。この記事の表は成人の通常用量です。お子さまについては、オンライン診療での対応可否を含めて個別にご相談ください。
Q. すでに熱や咳がある場合も、予防内服でよいですか?
症状がある場合は、診断・治療が必要かを判断します。インフルエンザ以外の感染症の可能性もあるため、予防薬だけで対応しようとせず、発症した日時と症状を医師にお伝えください。
Q. 市販薬で予防内服はできますか?
この記事で紹介した薬は、医師の処方が必要な医療用医薬品です。市販の風邪薬で同じ予防投与を行うことはできません。自己判断で残薬や他の方の薬を使わず、医療機関にご相談ください。
予防内服とあわせて、家庭での感染対策も続けましょう
予防内服は、ワクチンや日常の感染対策に代わるものではありません。薬を使っている間も、家庭での対策を続けてください。
- 手洗いを行い、こまめに換気する
- 咳やくしゃみがある場合は、マスクなどで咳エチケットを心がける
- 可能な範囲で、発症した方と過ごす部屋や時間を分ける
- 十分な睡眠と休養をとり、体調の変化を確認する
ご家族がインフルエンザと診断された場合には、接触した日時とご自身の体調を確認し、予防投与が必要か早めにご相談ください。ゆうきクリニックでは、オンライン診療で状況を確認し、適切な対応をご案内します。
インフルエンザの予防内服をオンラインで相談
ご家族がインフルエンザと診断された場合など、予防投与をご希望の方は早めにご相談ください。
診察の結果、処方できない場合や対面診療をご案内する場合があります。
参考資料・確認日
医薬品情報の確認日:2026年10月3日。費用は当院の案内資料をもとに掲載しています。薬剤関連費用の実際の金額は、処方内容や薬局によって異なります。